4597:ソレイジアファーマの騒動

3月24日に公開価格185円で上場。JapanBridge提出の大量保有報告書には、6月21日までがロックアップと記載。1.5倍以上であれば売れるはずだが、なぜ律儀に90日間動かなかったのかは不明。

しかし、結果的に株価は公開価格の3倍以上で推移。6月21日を迎えるや、即座に3.03%を市場内で処分。21日を含めて4日連続で合計6%以上を処分したところで、野村證券へ850万株、9.7%の売却を公表。

ソレイジアのプレスリリースには、

2. 異動予定年月日 2017年7月3日 (株式振替手続完了予定日)

と書いてある。一見すると7月3日に譲渡が実行されるようにも見えるが、野村證券側のプレスリリースでは

当社の子会社である野村證券株式会社(代表執行役社長:森田敏夫)は、取得後直ちに転売する 目的で下記のとおり株式を取得しました。

このように、既に取得したとのニュアンスで書かれている。すなわち、ソレイジア側に記載された7月3日と言うのは、()内に注目すれば受け渡し日のことを指しており、既に株式は譲渡完了していると考えるのが妥当だろう。さもなくば、このような発表をしたことで先回り売りによる暴落が起きるのは明白なのに、タイムラグを付けて事前に予告することなど考えられない。

また、この転売先が有力な事業会社なのではないか(一部では、協和発酵キリンによる買い増しだなどと言うかなり悪質な推測がなされている)との期待もあるようだが、3ヶ月前に185円でIPOした会社の株を、特に画期的な事業の進展がないにも関わらず、その3倍弱の値段で買うような主体がいるはずもない。

ここで野村のブロックトレードを使ったのにも理由がある。最初の変更報告書の提出期限が6月28日なので、それまでは市場参加者に気付かれないように場で高値での売却を密かに進め、最後にまとまった数量を、値を下げてでも一気に処分しようということなのだろう。

この株は伊藤忠とJapanBridgeで発行済み株式の52%を占めており、バイオベンチャーにしては特定株が多く需給妙味があり、なおかつ公開価格時点では185円という低位だったことが人気化の理由だった。初期からの大株主が大量に売却するということは、この株価は高いと言っているようなものであり、その結果として浮動株が大幅に増加したとなれば、人気離散は確実なものとなる。そこまでわかった上で、ブロックを使って大量に売りさばいているのである。私の予想では、このブロックの株価は終値から10%前後のディスカウントがなされていると見る。

ソレイジアは現在、発行済株式の15%もの大量の信用買い残を抱えている。先週に162.9万株も急増したのは、裏側で大株主が売却していたからである。そこに、野村のブロックによる9.7%の玉が容赦なく降り注いでくることになれば、高値で出来た大量の信用買い残が重しとなり、悲惨なチャートを形成することは容易に想像がつく。

繰り返しになるが、この株は基本的にIPO直後の需給妙味で上がってきた株で、マネーゲームの受け皿としての側面が非常に強かった。こうなると、承認だのなんだのと言った所で需給の大逆流には逆らえない。今後も買い煽りが様々な美辞麗句を弄してこの銘柄を取り上げてくることだろうが、この記事を最後まで読むだけの知性をお持ちの読者諸兄には、当面近づいてはならない銘柄であると警告しておきたい。